カネカ【4118】の株価が下落。業績や利回りから買い時かどうか調べてみた

カネカは大阪に本社を持つ化学品メーカーです。

コエンザイムQ10が抜群の知名度を誇り、日本を代表する化学メーカーの一つですね。

「カガクでネガイをカナエル会社」というキャッチコピーの元事業展開している企業です。

2019年6月にはパタハラ問題で、育休から復職した男性職員に転勤を命じた問題で話題になりました。

今回はカネカについて

  • カネカの業績について
  • 配当や利回りについて
  • 株主優待はあるのか
  • 株主総会のお土産について
  • カネカは買うべきか?今後の株価を予想してみる

をご紹介していきます。

 

 

会社概要について

カネカ社は化学品メーカーです。

下記の4つの事業を中心に事業展開しています。

  • Material・・か性ソーダ、樹脂などの原材料の製造
  • Quality of Life・・生活の質を向上させるための事業
  • Health Care Medical Devices・・健康をケアする事業。バイオ医薬品などが主体
  • Nutrition Solutions Unit・・食や栄養に関する事業。乳製品事業を新たに展開

基本的に「B to B」の企業なので、あまり一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、「コエンザイムQ10」を製造している企業ですね。

2018年からは新たに乳製品事業をたちあげました。

「パン好きの牛乳」などベルギーのPur Natur Invest BVBA(ピュアナチュール)社と提携した独自の加工技術で今後も展開していく予定です。

カネカショックで炎上し、一時株価が下落

カネカショックとは簡単にいうと「新居を建てたばかりで育休復帰した男性職員に対して、すぐに転勤を命じた問題」です。

以下ツイッターより引用です。

以下カネカ社の文章です。

当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて

2019年6月6日

当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みに関し、当社の考えを申し上げます。

  1. 1. 6月2日に弁護士を含めた調査委員会を立ち上げて調査して参りました。6月3日には社員に向けて、社長からのメッセージを発信致しました。更に、6月5日に、社内監査役及び社外監査役が調査委員会からの報告を受け、事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました。
  1. 2. 元社員のご家族は、転勤の内示が育児休業休職(以下、育休とします)取得に対する見せしめである、とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。また、元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません。
  1. 3. 当社においては、会社全体の人員とそれぞれの社員のなすべき仕事の観点から転勤制度を運用しています。 育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。
  1. 4. 社員の転勤は、日常的コミュニケーション等を通じて上司が把握している社員の事情にも配慮しますが、最終的には事業上の要請に基づいて決定されます。 手続きとしては、ルール上、内示から発令まで最低1週間が必要です。発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間程度です。転勤休暇や単身赴任の場合の帰宅旅費の支給といった制度に加え、社員の家庭的事情等に応じて、着任の前後は、出張を柔軟に認めて転勤前の自宅に帰って対応することを容易にするなどの配慮をしております。
  1. 5. 本件では、育休前に、元社員の勤務状況に照らし異動させることが必要であると判断しておりましたが、本人へ内示する前に育休に入られたために育休明け直後に内示することとなってしまいました。 なお、本件での内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長いものでした。 また、着任日を延ばして欲しいとの希望がありましたが、元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。 着任後に出張を認めるなど柔軟に対応しようと元社員の上司は考えていましたが、連休明けの5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出されたため、この後は、転勤についてはやり取りがなされませんでした。このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います。

元社員の転勤及び退職に関して、当社の対応は適切であったと考えます。当社は、今後とも、従前と変わらず、会社の要請と社員の事情を考慮して社員のワークライフバランスを実現して参ります。

中小企業勤めの管理人からすると、「男性で育休取れるのはうちの組織では考えられないなぁ」というのが正直の感想です。

私の知り合いの中に育休で休んでいる方もいませんし、正直福利厚生が充実している会社ならではの問題なのかなと思っています。

カネカ社は特に福利厚生には強みを持っている企業なので、こういった問題がおこるのは少し残念ですね。

カネカショックの影響で一時株価は下落し年初来安値3,615円まで下がりましたが、すぐに持ち直ししました。(令和元年6月11日時点で4,000円まで回復)

株式市場は大した問題だと思っていないようですね。

カネカの業績や収益状況を調べてみた

カネカの過去の業績や株主還元を調べてみました。

まとめますと下記の通りです。

【百万円】
売上高 営業益 経常利益 最終利益
・2016年3月期 555,227 38,220 33,038 20,985
・2017年3月期 548,222 33,164 27,426 20,484
・2018年3月期 596,142 36,888 32,775 21,571
・2019年3月期 621,043 36,041 31,268 22,238
・2020年3月期 650,000 40,000 35,000 23,000

具体的に内容を見ていきましょう。

カネカの売上高は順調に推移!今後は乳製品事業に期待か

カネカの過去の売上高の推移を見てみましょう。

  • 2016年3月期・・555227百万円
  • 2017年3月期・・548222百万円
  • 2018年3月期・・596142百万円
  • 2019年3月期・・621043百万円
  • 2020年3月期・・650000百万円(予想)

近年では順調に売上高が伸びています。

新たに展開している乳製品事業が拡大するとさらに売上が伸びていきそうですね。

カネカの経常利益はほぼ横ばい

カネカの経常利益の推移を見てみましょう。

  • 2016年3月期・・33038百万円
  • 2017年3月期・・27426百万円
  • 2018年3月期・・32775百万円
  • 2019年3月期・・31268百万円
  • 2020年3月期・・35000百万円(予想)

売上高が伸びていますが、原材料費の高騰により経常利益はほぼよこばいとなっています。

2020年は40億円の増加を見込んでいます。

カネカの最終利益は増益が続く

カネカの過去の最終利益を見てみましょう。

  • 2016年3月期・・20985百万円
  • 2017年3月期・・20484百万円
  • 2018年3月期・・21571百万円
  • 2019年3月期・・22238百万円
  • 2020年3月期・・23000百万円(予想)

最終利益は増益が続いています。

有価証券などの売却が大きいです。

カネカの安全性は?財務情報を調べてみた

カネカの直近3年間の財務情報を調べてみました。

まとめますと下記の通りです。

自己資本比率 有利子負債
・2017年3月期 51.5 37%
・2018年3月期 51 35%
・2019年3月期 51.1 36%

具体的に内容を見ていきましょう。

カネカの自己資本比率は50%台で推移

カネカの過去3年間の自己資本比率を見てみましょう。

  • 2017年3月期・・51.5%
  • 2018年3月期・・51%
  • 2019年3月期・・51.1%

自己資本比率は安全とされる40%を上回り、51%台で推移しています。

カネカ社の規模でこれほどの自己資本比率を誇るのは非常に安全性が高いということになります。

今後20年よほどのことがなければ経営危機に陥る可能性は低そうです。

 

カネカの有利子負債倍率も30%台で推移

カネカの過去3年間の有利子負債倍率を見てみましょう。

  • 2017年3月期・・37%
  • 2018年3月期・・35%
  • 2019年3月期・・36%

有利子負債倍率も30%と低い数値で推移しています。

カネカの株価は割安?割高?指標から見てみた

ここではカネカの株価について投資指標と合わせてみていきます。

まずはカネカの投資情報を見ていきます。

【下記の情報はいずれも令和01年06月12日時点の情報】

証券コード 4118
企業名 カネカ
配当利回り 2.49%
時価総額 273,020百万円
株の購入価格 401,500
PER (連) 11.39倍
PBR (連) 0.78倍
年初来高値 4,535円
年初来安値 3,615円

具体的に見ていきましょう。

株価は4,000円~6,000円で推移。PBR,PERともに割安

カネカの株価は近年4,000円~6,000円で推移しています。

PERは11.39倍、PBRは0.78倍です。

PERは割安と呼ばれる15倍を下回り、PBRも1倍を下回る0.78倍となっています。

投資指標からみると非常に割安で推移しています。

配当の推移について

カネカの配当は下記の通り推移しています。

  • 2010年3月期・・80円
  • 2011年3月期・・80円
  • 2012年3月期・・80円
  • 2013年3月期・・80円
  • 2014年3月期・・80円
  • 2015年3月期・・80円
  • 2016年3月期・・80円
  • 2017年3月期・・90円
  • 2018年3月期・・90円
  • 2019年3月期・・100円
  • 2020年3月期・・110円(予想)

安定配当を継続しています。

近年少しずつ増配していますので、今後に少し期待が持てますね。

利回りの推移について

過去の株価を踏まえた利回りは下記のとおりとなります。

  • 株価が4000円の時、配当利回りは2.8%
  • 株価が5000円の時、配当利回りは2.2%
  • 株価が6000円の時、配当利回りは1.8%

配当利回りは1%後半から2%後半です。

利回りからみると平均的ですが、指標が割安なので、利回りよりも指標を重視する方にはおすすめしたい銘柄ですね。

カネカの株主優待の内容について

カネカには株主優待がありません。

理由としては「BtoB企業のため提供する商品がない」「個人投資家が少ない」というのが主な理由でしょう。

カネカの個人投資家の割合は約16%となっており、少ない割合となっています。

反対に外国人投資家が約25%、金融機関が約50%となっておりほとんどの株を握っています。

今後も株主優待を導入する可能性は低そうですね。

株主総会のお土産について

カネカは株主総会お土産がありません。

以前は石鹸などのお土産があったようですが、近年廃止になったようです。

お土産目当てで株主総会に出席するのはやめておきましょう。

カネカの株価は今後はどうなる?過去の業績から予想してみた

カネカの業績や安全性についてまとめてみました。

ポイントをまとめると

  • カネカショックで株価は下落しているが、影響は一時的のよう
  • 指標的に割安
  • 業績は増収傾向が続いているが、利益は微上げ
  • 配当は近年増やしている
  • 安全は非常に高い。今後経営危機に立たされる可能性は低い

上記のポイントからカネカの株価が今後どうなっていくか予想しました。

カネカの株価は今後上昇する可能性が高いといえます。

カネカはB to B企業のためそもそも今回のようなケースで企業イメージが下がったとしても影響は限定的です。

指標的には非常に割安で、安定性も高いため、4,500円程度まではあがる余地がありそうです。

カネカショックの対応も含め、今後の株価に期待したいところですね。

 

MoneyCourt 編集部

MoneyCourt 編集部公認会計士・税理士

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【監修:ユニヴィスグループ( Univis Group )公認会計士・税理士】

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